手描き染め1

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■一珍染め

一珍染めは、一珍糊を使って染める技法です。一珍糊は餅米を主にした友禅に対して、小麦粉と布海苔が主材料です。
糊の材質に小麦粉を使う方法は、室町時代から行われていました。一珍糊の特徴は糊置きして染めた後、水洗をしなくてもよいこと、乾燥するとひびができやすいことです。
このひび割れを持ち味として、むら染め風に染め上げたり、手描き友禅と同じ技法で絵柄を描いた染めを一珍染めといいます。

■濡れ描き(無線友禅)

白生地に絵筆で直接描く濡れ描きは水彩画のような味わいがあります。
濡れ描きをする布は、まず「地入れ」といって豆汁(大豆の汁)や布海苔を水で溶いたものを刷毛で塗り、染料がにじみすぎないように生地を整えます。その生地の上に水分を補いながら、筆で絵を描くと淡くにじんだぼかし模様が生まれます。これを何度も繰り返して色を重ね、深い色合いと微妙なぼかしを表現します。
模様には草花が多く、ふんわりとした華やかさが身上。訪問着や付け下げに見られます。

■墨描き

着物や帯に筆で墨絵を描くのが墨描きです。直接布に絵を描くこの方法は友禅染めよりはるかに古くからあり、尾形光琳の「白綾地秋草文様小袖」は墨と色彩を使った描絵小袖です。
布のにじみを防ぎ、墨色を定着させるために、墨に糊を混ぜ合わせます。糊は昔ながらの布海苔、呉汁、化学糊と人によって様々ですが、水墨画の特徴である濃淡を生かすように、糊を薄めに入れて描きます。
ほかの手描きの技法にも共通する事ですが、とくに作家としての感性が直接表れる技法です。

■写し糊(無線友禅)

糊に染料を混ぜ合わせる技法は明治時代に開発され、型友禅をはじめ、染色技術に大きな進歩をもたらしました。この糊を色糊、または写し糊といい、これを使って筆や筒で描く技法もまた写し糊といいます。
写し糊は防染と染着と同時に行うのが特徴で、糸目がないことから無線友禅とも呼ばれます。糊の材料は、餅米の粉と糠と塩に水を加えたもの、または化学糊を適度に薄めて用い、糸目糊より堅く練って染料を加えます。一般的には筆を使って描いた写し糊の着物は油絵や俳画タッチのものが多く、筒書きは抽象的な模様や点描に用いられます。

 

 

こちらで手描き染めに必要な物を紹介しています。

http://www.kaigadou.com/tegaki.htm

 

手描き染めのスタイリッシュな作品を作る浄土紀久子氏の公式Webサイト

http://www.kikuko-online.sakura.ne.jp/

 

 

 

 

 

 


東京友禅

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東京友禅または江戸友禅と呼ばれる東京地方の友禅染は、昭和55年に「東京手描き友禅」名で伝統的工芸品に指定されました。加賀友禅や京友禅に比べて指定が遅れたのは、関東大震災や東京大空襲で江戸友禅の資料が失われていたことによります。

■江戸の友禅染

文化中心が上方から江戸に移ったのは19世紀。文化・文政時代に大名のお抱え染め師が江戸に移り、江戸に京友禅の技法が伝わったといいます。また一説では、京友禅が始まって間もなく、既に19世紀に五代将軍綱吉の母、桂昌院が京都から友禅職人を呼び寄せて「柳営染」という大奥御用の模様染めが出来たとも伝えられています。

■東京友禅はあっさりが身上

東西の個性の違いは、色彩や模様の違いに見られます。江戸では藍と白のさっぱりとした色使いが好まれました。ことに、糊伏せした白場をそのまま模様の一部に生かす「糊の白上がり」の技法は、今も東京友禅の特徴です。また、赤い色も、洗い朱、さび朱などの渋い赤を好む傾向があります。
伝統的な模様には、磯の松や網干、千鳥など、かつて江戸湾の風景が多く描かれています。これらは大奥女中が好んだ武家好みの御殿模様が庶民に行き渡ったもので、江戸解き模様と呼ばれ、華やかな公家文化を母体とする京友禅の御所解き模様とは対照的です。
模様付けもあっさりが身上です。最近では留袖全体が華やかになったため東京友禅の留袖も裾全体に模様が染められていますが、かつての江戸風の留袖は前身頃の裾に低い模様があるだけで、後ろ身頃には模様がありませんでした。
東京友禅の染めの行程は、分業の京友禅とは違って、一人の友禅師が、構図、下絵、糸目糊、色挿しを行い、伏せ糊と蒸し、水洗だけは専門の業者に依頼します。

 

 

東京手描友禅・佐藤 信男 ”北区伝統工芸保存会”

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=s3G7kPwR8WI&w=560&h=315]

 

東京手描き友禅作家 椿逸雄さん レポート

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=tJGK_fOHSkA&w=560&h=315]


加賀友禅

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加賀百万石の城下町だった金沢を中心に染められている友禅を加賀友禅といいます。

■加賀友禅の源流

加賀には古く、梅の皮や柿渋を楊枝糊で染める「加賀染め」といわれる染織方法がありました。また、加賀絹に無地染めには、御所紋と名づけられた色挿しの紋を置きました。各家の門を中心に置き、その周囲に松竹梅や雪月花などを多色染めで描くこの御所紋は、加賀染とともに加賀友禅の原点と考えられています。
また、友禅染の始祖である、宮崎友禅斉は能登のうまれで、晩年は加賀で暮らしたとも伝えられています。これらのことから、加賀染に京友禅の糸目糊の技法を合わせて、現在の加賀友禅が出来たとも考えられています。

■加賀友禅の特徴

友禅糊を使って防染するという技法は京友禅と全く同じですが、模様や色彩には北陸の自然を写した独自の落ち着きと優しさが見られます。花が小さく、虫食い葉も多く、冬は雪に埋もれた北国の自然の姿を加賀友禅は美しく模様化しています。
現在の加賀友禅には、虫食い葉は少なくなりましたが、小さく優しげな草花を題材にするという全体の傾向は変わりません。草花模様に多く見られるぼかしは、琉球紅型のように一枚の葉の中に大胆な反対色を配して上下からぼかしたり、京友禅とは反対に外を濃く中心を淡く染める「先ぼかし」です。
色彩は京友禅に比べてやや沈んだ色が特徴で、臙脂、藍、黄土、緑、紫の5色を多用し、「加賀五彩」と呼ばれています。
また、加賀友禅では、金箔や絞り、刺繍など染織以外の技法を用いないことも京友禅とは異なる特徴の一つです。
明治に入ると加賀友禅も京友禅同様、型友禅が染められるようになりました。

 

加賀友禅の制作工程、下絵の動画です。

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=0I6cRx3BZMY&w=560&h=315]

 

加賀友禅のWikipediaはこちらから

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A0%E8%B3%80%E5%8F%8B%E7%A6%85

 

ミス加賀友禅スタッフブログ。活動の様子が紹介されています。

http://ameblo.jp/kagayuzen/

 

 

 


京友禅

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京友禅は京都で染められる友禅のこと。京友禅といえば手書き京友禅と京型小紋とを合わせて指すこともありますが、ここでは手書きの京友禅について書いていきましょう。

■手書き京友禅は華やかな日本画風

元禄時代に京都祇園に住んでいた扇絵師、宮崎友禅斉が始めたのが京友禅です。それまでは絞り染めに刺繍や箔を施したものが主流でしたが、友禅斉が考案した友禅糊によって、となりあう色が混ざらなくなり、日本画のような多彩な染め模様の京友禅が生まれたのです。
その華やかな染織技法は、たちまち全国に広まって、確固とした京友禅の地位が確立しました。

■京友禅の文様と技法

京友禅は遠めに見てもはっきりと分かる大きな模様と華やかな彩りで描かれます。この傾向は伝統的な特徴で、たとえば江戸中期の友禅染には身頃いっぱいに束ね熨斗が描かれ、大きな結び目は金糸で縫い取られています。そのほか、京友禅は雅な御所車、御簾、檜扇、四季の花や山水などの御所解き模様が描かれ、立湧などの有職文様も配されています。
手書きの絞り模様である染めひったの手法、また、友禅染以前から小袖に施されていた刺繍や金銀箔の併用も京友禅の伝統の一つです。色挿しは模様の中心を濃く、外に向かって淡くするぼかしと、一つの模様をむらなく染める手法をバランスよく配置します。なかでも紅挿しは京友禅特有の美しい表現です。

■京友禅は専門職の技法を終結

京友禅の製作工程は、徹底した分業制度がとられています。意匠デザイン、青花の下絵、糸目糊、色挿し、伏せ糊、地染め、蒸し、水洗、それに模様師、金彩師、刺繍しといった、およそ30種の専門職の技術によって一枚の手書き京友禅が完成します。

 

 

京都で友禅染体験の動画です。

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=1x8p1_kaSHk&w=560&h=315]

 

京友禅のWikipediaはこちらから

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E5%8F%8B%E7%A6%85

 

京友禅のアロハシャツなんてのもありました。

http://www.pagong.jp/yuzen/index.html


染めの技法と種類:手描き友禅

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手描き友禅とは、型友禅に対する言葉で、花鳥風月や調度品などの題材を模様化して、友禅糊の技法で布の上に飾り豊かに絵を描くおうに表現する手法です。
緻密な技巧を凝らしつつ、自由な発想と華やかな彩りを持つ手描き友禅は、日本が誇る染織工芸品です。

■宮崎友禅斎が始めた友禅染

日本独自の友禅染は、元禄時代に京に住んでいた扇絵師、宮崎友禅斎が創始したといわれ、その名称は友禅斎の名からとられたと言われています。
友禅染が考案されると、たちまち大流行したという記録や、「友禅ひいなかた」という着物の柄見本が残されています。友禅染が大流行した理由の一つは、友禅染で初めて華やかな色柄の着物が染められたからといえるでしょう。また、扇絵師であった友禅斎が、古典や身近なものから、物語性や季節感のある題材を得て、模様化することに優れていたこともその一つと思われています。

■手描き友禅の技法

友禅染が考案したのは、友禅糊でした。餅米と糠を塩に混ぜたこのノリで隣り合った色が混じり合わないように防染することで多種染めの精緻な模様が描けるようになったのです。
手描き友禅の本来の方法は、まず生地に青花で下絵の模様を線描きし、筒に入れた糊をその上に置いて防染します。次に模様に筆で彩色し、彩色した模様全面に糊を置きます。そして地色を染め、蒸して染料を生地に定着させ、水洗し糊を落とし乾燥させて仕上げます。
今も手描き友禅は、主に京都、金沢、東京で染められ、三大友禅と呼ばれています。

 

手描き友禅を実際に染めている動画です。

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=YCHe6J4PYe8&w=420&h=315]

 

「友禅」の説明。Wikipediaより。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8B%E7%A6%85