東京友禅

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東京友禅または江戸友禅と呼ばれる東京地方の友禅染は、昭和55年に「東京手描き友禅」名で伝統的工芸品に指定されました。加賀友禅や京友禅に比べて指定が遅れたのは、関東大震災や東京大空襲で江戸友禅の資料が失われていたことによります。

■江戸の友禅染

文化中心が上方から江戸に移ったのは19世紀。文化・文政時代に大名のお抱え染め師が江戸に移り、江戸に京友禅の技法が伝わったといいます。また一説では、京友禅が始まって間もなく、既に19世紀に五代将軍綱吉の母、桂昌院が京都から友禅職人を呼び寄せて「柳営染」という大奥御用の模様染めが出来たとも伝えられています。

■東京友禅はあっさりが身上

東西の個性の違いは、色彩や模様の違いに見られます。江戸では藍と白のさっぱりとした色使いが好まれました。ことに、糊伏せした白場をそのまま模様の一部に生かす「糊の白上がり」の技法は、今も東京友禅の特徴です。また、赤い色も、洗い朱、さび朱などの渋い赤を好む傾向があります。
伝統的な模様には、磯の松や網干、千鳥など、かつて江戸湾の風景が多く描かれています。これらは大奥女中が好んだ武家好みの御殿模様が庶民に行き渡ったもので、江戸解き模様と呼ばれ、華やかな公家文化を母体とする京友禅の御所解き模様とは対照的です。
模様付けもあっさりが身上です。最近では留袖全体が華やかになったため東京友禅の留袖も裾全体に模様が染められていますが、かつての江戸風の留袖は前身頃の裾に低い模様があるだけで、後ろ身頃には模様がありませんでした。
東京友禅の染めの行程は、分業の京友禅とは違って、一人の友禅師が、構図、下絵、糸目糊、色挿しを行い、伏せ糊と蒸し、水洗だけは専門の業者に依頼します。

 

 

東京手描友禅・佐藤 信男 ”北区伝統工芸保存会”

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=s3G7kPwR8WI&w=560&h=315]

 

東京手描き友禅作家 椿逸雄さん レポート

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=tJGK_fOHSkA&w=560&h=315]